五行の山で夢をみた。

ひまつぶしと現実逃避の記録

気楽に中国語 『広州夜話』

今日はお気に入りの本のことを書きます。

中国語、中国ドラマを日頃の娯楽としてる私ですが、読書のときも、中国人が登場する物語や、中国が舞台になっている作品、中国語のセリフが登場する読み物などを日頃から探しています。

そんな中で出会ったひとつが、この本。

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広州にある日本人向けカウンターバー「羊城(ヤンチャン)」。単身赴任中の筆者は毎夜バーを訪れ、そこで働く中国娘・李利と軽妙な会話を楽しむ。話題は、現在でもなお中国で愛されている漢詩の世界や、食文化、暮らしぶり、考え方など多岐にわたる。そこから見えてくるのは、ごく一般的な中国人たちの、健気で逞しく心豊かな姿だ。主人公は中国への理解を深めていくうちに、聡明で真直ぐな李利にも惹かれはじめ……。中国にまつわる薀蓄をストーリー仕立てで楽しく学べるオムニバス。——Amazon.co.jpより

2013年の著作で、作者は加園旅人さんという方。

もしかしたら、作家が本業じゃないんかも?著者紹介には、企業の駐在員としての経歴が書かれていて、2011~12年、広州に駐在。とある。

広州のイメージ。。。

この作品はフィクションながら、「小説」とはちょっと違う感じ。ほぼ全編が晩酌を目的にバーを訪れる中年男性の「私」と、カウンターで働く若い中国人女性との会話だけで終始していて、物語性というかストーリー展開はほとんど無いです。基本的にひとつの話題で一話分として区切られた、ライトエッセイみたいな感じの文章。

中国にまつわる蘊蓄というか、正確には中国「語」の蘊蓄が多いかな。この本の素晴らしさは、唐詩の知識や言葉遊び、中国古典に関するフレーズがごく自然に登場し、難しくなく、すんなり受け取れるところ。

たとえば第1話では、日本でも有名な唐詩のフレーズ  ”春眠不觉晓  处处闻啼鸟(春眠暁を覚えず 処々に鳴く鳥を聞く)”の替え歌として ”春眠不觉晓  处处蚊子咬(春眠暁を覚えず あちこち蚊に食われる)” っていうのがあるんだよ、っていう話題で、中国人が子供の頃から親しんでいる唐詩を現代の生活にあてはめて楽しんでいる様子が語られる。

ほろ酔いおじさんと20代の女の子の会話っていう体裁を借りて、毎回こういった中国語ネタのお話が全45話収録されている。こんなに読みやすく、むつかしい解説ナシで、気軽に唐詩(or中国語)に触れていいんだ…🧡っていうのが新鮮です。

逆に、「勉強したい」っていう人には向きませんね。語呂あわせなど言葉あそびや、詩の美しさなどを「楽しむ」ために読むやつです。

李白とゴキブリ —抬头见老鼠」

食べ合わせあれこれ ー上火 降火」

「三笠の山にいでし月かも —但愿人长久 千里共婵娟」

「三十六計逃げるにしかず —美人计  苦肉计」

…などなど、目次を見ているだけでも楽しい。

語学好きは、ついついお勉強モードになってしまいがち。気楽に楽しめる語学本ってなかなか無いですよね。そこでこのアッサリ感とネタの秀逸さは希少です。いつまでも読んでられる~😊と思ってるんですが、続編やシリーズは出なさそう。他にもこういう本がもっとあれば嬉しいんだけどな~。