五行の山で夢をみた。

視聴記録&感想。ネタバレあり。華流ドラマ、中国映画、香港映画、韓流ドラマなどなど。

ソード・アーチャー 瞬殺の射法

f:id:kaixinxx:20210707213943j:plain

印象に残る美しい瞬間が、たくさん収められた作品。武術の美しさと、ニヒルでクールな男の生きざまにしびれる映画です。  

主人公の柳白猿は争いごとの仲裁人。相手が剣であろうが槍であろうが手刀であろうが、双方を負かして仲裁する。日本の時代劇にもある職業ですね。

身寄りも友もなく、仕事のほかは酒浸りで暮らしていた柳白猿。ある時、とある男を殺してほしいとの依頼を受けてしまう。ターゲットの生活圏に入りこみ、果物屋に化けて暗殺の機会をうかがっているうち、妙に色っぽい女・月牙紅と出会い、彼女に魅かれるようになる。柳白猿と月牙紅は愛し合うようになるが、じつは彼女には秘密があった。武道の達人・匡一民との決闘を制し、最後に柳白猿は愛する女性を手に入れることができるのか――。というお話。

この映画はストーリー自体にあんまし印象がなく、好きな女が出てきたからといって嫉妬とか駆け引きとか、そういうものも一切ないです。か弱い女を助けるヒーローっていうわけでもなさそうだし、踏みにじられた痛みを倍返しにする復讐劇!みたいなのとも違います。淡々と、男の生きざまみたいなものだけが見せられる感じかなー。

私的には、この作品で見るべきはストーリー展開がどうとかではなく、とにかく俳優さんたちの動作が美しいことかな。まず登場人物のほとんど全員が武術の使い手です。決闘や道場破りのシーンでは、アクションはもちろんカッコイイですし、手とか刀、槍、薙刀、弓などいろいろな武術を見ることができます。派手さはないけど、まるでダンスしてるみたいに滑らかな動きが素晴らしく、目が離せません。監督のシュー・ハオフォン氏はご自分でも武術の鍛錬をされている方だそうで、決して派手さを求めない演出でこれだけくぎ付けにできるのはすごいなと思います。武術の美しい動き、技などをよく知っておられるということでしょうね。武術シーンじゃなくても、道を歩いてる姿とか、果物の皮をむく時とか、ひとつひとつの動きがいちいちキレイ!無駄がなく流れるような美しい所作は、何度見ても気持ちがいい。ぜひ一度見てみてください。なんだか心がすーっとしますよ。

主演の宋洋は筋肉も大きすぎずで小柄感すらありますが、それが丁度よし。ニヒルキャラなのに女の色気に弱かったり、武術の達人なのに簡単に出し抜かれたりして、いい感じに隙があり、無駄のない身のこなしととぼけたキャラのギャップがまた素敵なんです。対する匡老人・于承惠の腹がよめないドーンとした存在感も不気味で、”老獪”って感じです。動作はゆっくりなのに、迫力だけで勝てないかもって気にさせられるおじいさんがこれまたカッコイイ。

セリフも少ないしよくわからないシーンがありながらも、この世界観を受け入れていくと楽しめるはず。なんとなく「浮浪雲」(ジョージ秋山の漫画)とか「ルパン三世」(モンキーパンチの原作漫画のほう)のような雰囲気、美学を感じる映画です。

 

f:id:kaixinxx:20210707213939j:plain

月牙紅

f:id:kaixinxx:20210707213934p:plain

匡一民は武道を極めた老人。訳あり。ということしか分からない2人ですが、この凄み。
作 品 情 報

制作国 中国

制作年 2012年

監督 徐皓峰 シュー・ハオフォン

原題 《箭士柳白猿》

時間 91分

◆トラウマ◆武道◆決闘◆謎めいた女◆静けさ◆美学

ひとりでボーっとしたい時、考え事しながら何か見たい時に。

 キャスト

 柳白猿(リウバイユァン):  ソン・ヤン(宋洋)

 月牙红(ユエ・ヤーホン): リー・チェンイェン(李呈媛)

 匡一民(クワン・イーミン): ユー・チェンホイ(于承惠)